【隻眼の高円寺】大木スミオ

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かつて高円寺に住んでいたことがある。正確に言えばそこは中野区なのだが、高円寺が最寄駅なのでそこで暮らしていたということにしている。平成4年からおよそ8年間、CMカメラマンとして独立して間もない時期、まだバブルの余韻があった頃で、それなりに街も賑わっていた。

中央線沿線というのはそれぞれの駅駅で独特の色を持っている。高円寺の隣駅は阿佐ヶ谷だが、総じてアダルトの街だし(ここにも2年ほど住んでいた)さらに西の荻窪はスノッブの度合いが増して散漫な印象だ。音楽に例えるなら、AORとクラシックだろうか。実は荻窪にも10年ほど暮らしていた。われながら、落ち着きのない生活だな、と思う。

とまれ、高円寺は昔からロックンロールの印象だ。岩のような普遍の伝統と転がり続ける若い魂が見事に融合しているのだ。そのような街がどこにあるというのだろう?僕もあの時間走り続けられたのは、高円寺という土地に暮らしていたからだったような気がする。

昨年、何年かぶりにこの撮影で訪れたが、四半世紀前の印象と変わらない。高円寺は永遠にROCK&ROLLの街だ。

 

大木スミオ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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